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連絡を受けた静は丁度乱菊の元へ行く京楽隊長と伊勢副隊長達に出くわした。
静も乱菊と同期と言う事もあり、同席させて貰う事にした。
乱菊の家の前には恋次も居た。
「僕と一緒という事で通して貰えないかな?」
と、言い包め恋次も同席した。
部屋に通された乱菊は多少なり、やつれているように感じた。
恋次の持っていた風呂敷の中から出て来たのは十番隊の隊首羽織だった、
それを抱きしめ、小さく愚痴を零す乱菊に、そっと触れる。
苦笑する彼女は何処か痛々しい。
「あの…京楽隊長」
「何だい?」
「棗隊長から極秘に連絡がありまして、『草冠宗次郎』と言う人物を知りませんか?」
「いや、知らないねぇ。棗隊長は今現世じゃなかったっけ?」
「えぇ。……恐らく、日番谷隊長に接触次第、日番谷隊長に付いていくと思います」
そこに居た者は瞳を見開いた。
静は詳しくは語らなかったが、乱菊は察した。
かすがは元十番隊の三席だった。
死神に成ったのも卍解習得も陰には冬獅郎がいた。
かすがに一番最初に手を差し伸べたのは、堕墜ではなく冬獅郎だった。
「静はそうなったら、どうするの?」
「どうもしません」
「えっ?」
「日番谷隊長に付いて行かない方が、隊長らしくないと思います。だから、隊長は隊長らしくあれば、あとは私たち隊士がフォローをするだけです」
微笑む静に、乱菊は『そうね、そうよね』と笑う。
話を戻し、『草冠宗次朗』が何者かを調べることになった。
「そう言えば、棗隊長を戻すことは出来ないかい?」
「出来ないでしょう。もっとも、伝令長の話から行けば、日番谷隊長の居場所の目星を付けたようです」
「厄介だねぇ…棗隊長は恐らく知ってるんじゃないかと思うだけど」
静もそれは何処かで感じていた。
きっと宝珠によって知っているのかもしれないが、敢えてそれを伝えなかった理由がある。
一番身近にいるから、冬獅郎を庇って居ると思われても仕方がない。
だからなのかもしれない。
「京楽隊長、伊勢、静…ありがとう」
「気にしないで、乱菊。うちの隊長も巻き込んでる事、忘れないでください」
そう微笑んで、静は伊勢たちと中央図書館へと向かった。
恐らくかなり古いものに成るのだろう、と今からゾッとしたのは内緒だ。
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