DiamondDust Rebellion

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 級に吹き荒れた季節外れの桜の花弁。 剣を奮って居た檜佐木たちは手を止め、その花弁を見つめた。 冬獅郎の瞳が見開かれるのと同じくらいに。 「乱れ咲け、狂宴黒桜」 スッと伸ばされた指先から、黒い桜の花弁は冬獅郎の廻りを包んだ。 斬魄刀を肩に担いだかすがはゆっくりと、冬獅郎の方へと歩く。 口元だけが笑い、あとは無表情そのものだった。 冬獅郎は哀しげな表情を浮かべた。 何度か見たその表情はかすがの心を不安定にした、その証拠。 無理矢理自分を保つための虚勢だと知っている。 「探した、冬獅郎」 「かすが……」 「わたしも謝らないし、アンタも謝らないで。それに……わたしはもう決めたんだ」 ようやく色を付けた笑みに冬獅郎は再び瞳を見開いた。 かすがが『決めた』と言う時は何時もろくでもないことで、誰が何と言おうとそれを変えるつもりはない。 今まで傍に居たからよく解っている。 「わたしが死神で居られるのも、隊長の座に居るものも……全部、アンタの所為。アンタに責任とって貰わなきゃ……そう、でしょ?」 「かすが!お前っ!!」 そう笑うかすがに何も言えなくなった。 檜佐木は説得が上手く行った、と安堵して居た。 それは共に来ていた吉良も同じだった。 だが、かすがはそれを容易く裏切った。 「わたしが恩を感じて居るのは、冬獅郎だけ。わたしを助けてくれたのは他でもない……冬獅郎、ただ一人。だから、こんなものっ!!」 肩に掛けて居た隊首羽織を放りあげ、黒桜の花弁が隊首羽織を切り刻んだ。 檜佐木たちの方を振り返り、斬魄刀を振った。 かすがと冬獅郎の廻りを舞って居た花弁が一斉に廻りの死神たちを襲った。 「な、棗隊長?!」 「わたしは死神が嫌いだっ!わたしを助けてくれた冬獅郎を助けるのは、このアタシだ!!!…卍解・黒桜桜煉華獄王」 「かすがっ!?」 羽衣を纏ったかすがは死覇装ではなく、黒の振り袖姿。 まるで大太刀を持つ天女の様に見えた。 小さく微笑み、斬魄刀を檜佐木と吉良が居る方へと向けた。 「総隊長に伝えなさい。裏切りにするべきは冬獅郎ではなく、仲を裂いた四十六室の決断、と。わたしは、王印を奪った奴も冬獅郎を反逆者にする護廷十三隊も嫌いだ」 「棗隊長……棗隊長、零番隊もただでは済みませんよ」 「静や夜行、他の隊士たちももう解ってるわ」 そう、静かに微笑んだ。
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