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ー紅葉学院高等部 剣道場ー
広々とした剣道場には、竹刀を打ち合う音だけが、響いていた。
剣道部員一
「面あり一本。勝者、桜花!」
剣道部員二
「あ゙~、やっぱ負けたぁ。マジ強いって、桜花。大会新、作れそーなのに。」
剣道部員一
「出場さえ、出来ればね。」
桜花
「……超名門を謳われる、我が『紅葉学院 剣道部』が廃部寸前とはね。」
ー此処、紅葉学院では五人以上でなければ、部とは認められない。
三年生が卒業してから、部員は桜花を含め、僅か三人の剣道部は、廃部の憂き目に遭っていた。
剣道部員二
「今年の新入生に期待するしかないケド、中等部には剣道部ないし。
ってか、桜、そろそろじゃね?」
桜花は、ふと窓の外を見た。桜は膨らんだ蕾を付けていた。
桜は、彼女の一番好きな花だ。名が関係しているかも知れない。
?
「おーちゃん、帰ろ~?もう、下校時間だよ~?」
桜花
「椿季?!先に帰ってなって言ったじゃない。」
桜花の言葉に、椿季と呼ばれた少女は涙目になって言う。
椿季
「……だってぇ、おーちゃん、いないと怖くて帰れないもん。また、絡まれるのヤだし………。」
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