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失恋したショックが大き過ぎたのか、桜花は心身のバランスを崩し、入院せざるを得なかった。
一時期は、竹刀を握ることすら出来ないほど、酷い有様だったのだ。
ーその頃、桜花と椿季は剣道部の二人が桜花の話で盛り上がってることなど、露知らず、のんびりと下校していた。
ー桜並木の通学路ー
椿季
「ね、おーちゃん。クラスの人達がね、合コンするんだって。一緒に行かない?」
おずおずと、椿季が尋ねた。桜花は椿季を見ずに即答した。
桜花
「んー、私はパス!折角の春休みだし、家で『新撰組DVDコレクション』見てる方がマシ!」
ー椿季が『合コン話』を持ちかけて来るのは、初めてではない。(ただし、この二人が来ると、メンバーの男達が、皆持って行かれそうになる為、嫌がられる。)
恐らく椿季が桜花を思って、参加を申し込んでいるのだろう。
桜花
「椿季は行きたいのか?気は進まないが、椿季が行くなら私が行かずに、どうするんだ?」
椿季
「あ、あの、すっごく行きたいとかじゃなくて………。」
しどろもどろになり、椿季は慌てている。そんな椿季に、桜花は苦笑した。
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