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桜花
「ごめん、椿季。気を遣わせたんだな。また嫌がられたんじゃないのか?」
桜花は参加したことがないが、あまりいい顔をされないことは知っている。
椿季
「うん、少し………。余計なお世話かも知れないけど。私、こんなことくらいしか出来ないし………。」
切なげに柳眉を寄せ、しゅんとする椿季。
椿季は桜花の為に、何も出来ない自分の無力さを痛感していた。
桜花
「馬鹿だな。もう充分、助けられてるよ椿季に。正宗もだけどね。『あの時』だって………。」
ー貴史に振られた時も、椿季と正宗が傍にいてくれたから、何とか立ち直ることが出来たのだと思う。
椿季と正宗が傍にいて、桜花の傷付いた心を癒してくれたから。
桜花
「椿季が気付いてないだけで、私は椿季に沢山救われてるよ?」
桜花が、柔らかく微笑んだ。
その笑顔に、沈んだ表情を見せていた椿季も、ぱぁっと明るい表情になる。
椿季
「おーちゃん、ホントに?私、おーちゃんの為に、何か出来てる?」
桜花
「勿論。嘘なんか言わない。」
椿季
「えへへ、おーちゃん大好き♪」
そう言いながら、椿季は桜花の腕に抱きついた。
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