ー 桜、音鳴る 春の夕?! ー

8/10
前へ
/160ページ
次へ
これで、桜花が“男であったなら”間違いなく『カップル』に見えたのだろうが………。 桜花 「本当に、椿季は可愛い♪全く、『上総』も何を考えてんだか?椿季を袖にするなんて!」 桜花は、ここにはいない上総に悪態を吐きながら、プリプリと怒っていた。 椿季 「いいの、しょうがないよ。上総君、好きな人がいるんだって言ってたもん。」 桜花 「だけど、片想いなんでしょ?椿季程の女なんて、そうそういるわけないんだから、片想いの相手を諦めりゃいいのに!」 尚も言い募る桜花に、流石に椿季が苦笑した。 何故なら、上総の片想いの相手とは、桜花のことだったのだから。 上総はライバルで、仲が険悪でも、初恋の相手でもある桜花が、忘れられないのだと言っていた。 桜花 「ところで、椿季。その『合コン』っていつなんだ?」 椿季 「ん~と………今度の火曜?」 パラパラと手帳を捲りながら、椿季は答えた。 桜花 「って四日後?明後日から京都で演習会だぞ?五日間、向こうにいるんだから、無理に決まってるだろ?」 椿季 「あぁ!そうだったぁ?!ごめんね、おーちゃん。流石に愛想が尽きたよね、嫌いになった………?」
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加