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これで、桜花が“男であったなら”間違いなく『カップル』に見えたのだろうが………。
桜花
「本当に、椿季は可愛い♪全く、『上総』も何を考えてんだか?椿季を袖にするなんて!」
桜花は、ここにはいない上総に悪態を吐きながら、プリプリと怒っていた。
椿季
「いいの、しょうがないよ。上総君、好きな人がいるんだって言ってたもん。」
桜花
「だけど、片想いなんでしょ?椿季程の女なんて、そうそういるわけないんだから、片想いの相手を諦めりゃいいのに!」
尚も言い募る桜花に、流石に椿季が苦笑した。
何故なら、上総の片想いの相手とは、桜花のことだったのだから。
上総はライバルで、仲が険悪でも、初恋の相手でもある桜花が、忘れられないのだと言っていた。
桜花
「ところで、椿季。その『合コン』っていつなんだ?」
椿季
「ん~と………今度の火曜?」
パラパラと手帳を捲りながら、椿季は答えた。
桜花
「って四日後?明後日から京都で演習会だぞ?五日間、向こうにいるんだから、無理に決まってるだろ?」
椿季
「あぁ!そうだったぁ?!ごめんね、おーちゃん。流石に愛想が尽きたよね、嫌いになった………?」
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