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「どうしちまったんだ俺は‥」
自分の気持ちに恐くなった俺は、とにかく流星から遠くへ遠くへ離れていった。
不意に思ったのは、流星は俺をどう思っているのかということだった。
「流星…」
遠くへと来たのはいいが、何故か寂しさが俺を襲った。
俺は、流星をただの仲間と思えなくなってしまっていると気付いたのは後々のことだった。
「俺、好き‥なんだな…」
『弦太郎!』
複雑な気持ちを理解したとき、声と共に気付けば傍にあった今一番逢いたかったもの。
「流‥星…」
『心配したぞ。今までずっと此処に…??』
「ああ。‥ごめん流星…」
『いいんだ。ただ、ちょっといつもの弦太郎と違う感じがしたから、少し‥不安だった…』
「えっ……」
俯く流星に俺は無性に愛情を感じて、気付けば目の前のものを抱き締めていた。
『げんっ‥たろうっ…??』
「ごめん…ッ」
『……大丈夫だから。もういいから‥』
「流星…お前やっぱりいいやつだな!」
『なっ!泣くなよ‥!』
「わりぃ…つい感動しちまった‥」
『ったく…しょうがないやつだな‥。』
フッっと微笑む流星に、また俺は安心感を覚えた。
流星は俺をどう思っているのか
その答えはきっといつか分かる日が来ると、俺は頷く。
『鈍感だな、弦太郎は‥』
そう呟く俺に、弦太郎は気付くことはなかった…。
end
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