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二人には三つの秘密がある。
一つ目は、二人とも弦太郎が好きなこと。
二つ目は、お互いが好きなこと。
三つ目は、それを誰にも知られてはならないこと…。
「朔田、」
『ん、何だ?』
「君はまた如月と話しすぎだ」
『仕方がないだろう、ライダー同士なんだから』
「俺に口答えするのか…??」
ラビットハッチに珍しいメンツで、弦太郎をしたう二人の男の姿があった。
二人きり‥という空間は初めてらしく、普段は他の部員もいるのだが、今日はどういう訳かいつになっても誰も来ることはなかった。
『また嫉妬か‥??』
「だったら何だって言うんだ…!」
『また顔赤くなってる‥。そんなに弦太郎が好きなら言えばいいだろう…??』
制服の胸ぐらを掴んだ具合からすると、また二人は弦太郎のことで喧嘩をしているらしい…。
賢吾は頭に血が登ったかのように、顔が赤くなっている。
流星はそれをからかう目で見て軽くあしらって笑って見せた。
「朔田!」
『うわっ‥!?っ…』
バッと勢いよく賢吾が立ち上がると、流星はバランスを崩して机の角に背中を打ってしまう。
「ぁっ…、すまない‥。」
『やっぱり心配はしてくれるんだな‥。』
大丈夫と言った具合に、流星は賢吾の頭を撫でる。
賢吾は嫌がる様子もなく、むしろ嬉しそうにしているように見える。
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