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好きな人が出来た。
髪が長い人が好きと言われて伸ばした。おかげで髪が腰まで伸びた。
料理が出来る人が好きと噂で聞いて慣れぬ手料理とやらにも挑戦した。
彼の好きな音楽など聞き、好きな料理をツテで調べて貰い、我ながら上手に作れるように成長した。
「なのに……これですか?」
目の前のお店の中に彼と手を繋ぐ女の姿が……どー見ても彼女です。本当にありがとうございました。
あはははははははははははああああああん!!
―――どさあっん。
人目を幅からずアーケードの真ん中でスーパーの買物袋ごと前のめりに崩れ落ちる。
さながら、強烈なブローを腹に食らい倒れるボクサーの如く。
(まだまだ……、仲の良い妹かも知れん!)
ぐぐッと立ち上がろとする。歯ぁ食いしばらんかいッ幕ノ内あゆみッ!まだまだ、恋はゴングがなるまでよッ!
バッと腹を決めて顔を上げて前を見据えると
ほっぺキスしてました……。
ぐああああああッ!!
(……ええ、ええパンチしとるやないけぇッ!……しかしそれなら私とて弟にしてるッ!)
弟はからはキスの後に「まじやめろ」とごみ虫を見る目で見られるけどね!
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