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――んで、今は私はすっとぼけたコイツの胸倉を掴み、その辺に転がってた所々に赤いどろどろが付いた木材をちらつかすと以外と簡単にゲロった。
「いいかな? この事吹いて回ったら、次は殺すよ」
「誰が吹くか。 俺も好きな人にフラれた時は、心の芯までかなり来た」
そういって、読めない表情を少し崩して笑った。
コイツもかなり惚れ込んでたらしい。
「俺の場合は、金魚の糞の如く諦め切れずに苦労して告白までこぎつけたら。定例文句の《幼なじみとしか見れない》と言われた」
クソッタレとぺッと唾を吐くがその顔には今だに惚れてマスと書いている。
「どんな人だったの。 その人って?」
この三枚目がそこまで、入れ込んだ人に興味が湧いた。
そうすると、こちらをちらりと見遣るといきなり顔を近付けてきた!
あまりに顔が綺麗なためにびくっとした。
「な、なに……?」
「「なにぃー!!」」
「そうだな、まずお前に顔が似てるな……そして」
私の顎に右手を添えると、自分の髪を縛ってたゴムをおもむろに外すなりそれで私の髪を縛り始めた。
前髪を後ろに流されておでこを出す感じされ、髪を引っ張る感じがした。
彼に髪を手で梳かされるたびに顔が近付くために心臓がばくつく。
「んでもって、眼鏡だな…」
そして、ポッケからつまみ出したのは眼鏡。見るからに眼鏡をかけると思えないから、たぶんその人にあげるつもりだったのね。見るからに後生大事にしてるし。これはなけなしの乙女のカン。
「………よしと、これで鏡を見てみろ生き写しだ。まったく山猿もこうして見れば人に見えらぁ」
「「おおーッ!!」」
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