波乱の予感

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10万円という金額に惹かれ、仕事内容を聞くの忘れたあたしは それから3日後 早朝4時に駅前に立っていた。 「さ、さむい。」 鼻水が凍るほど寒い。 少し後悔しつつ 兄が早く来てくれることを願っていた。 「よう!モモ!久しぶりだな。」 兄の信一と会うのは何年ぶりだろうか。 兄は東京に住んでいる。 「おまえ、痩せたな?彼氏できたか?」 「彼氏いたら合宿なんか来ないよ。」 「だなー!(笑)」 何もおかしくないし。 「この車で行くの?でかいね。何人乗り?」 「八人。」 「えー。」 年寄りとぎゅうぎゅうになって車乗るの? やだー。 「ま、乗れよ。生徒迎えに行くから。」 はぁっ。やだ。 小さな駅前に車で兄と待っていた。 「おっ!きたきた!」 「どれ?」 「あのサングラスかけた連中だよ。おーい!」 「え?あの背の高い?」 「そうだよ。」 「ずいぶんと背の高い年寄りだね。」 「年寄りじゃねーよ。ロウラのメンバーだよ。」 「ロウラ?ロウラって?」 「まだデビュー前だからわかんないか。ま、イケメンだから二週間よろしくな。」
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