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―朝からけたたましい目覚まし時計。
もう三ヶ月も電池を充電していないのに、こいつのどこにこんな力が残っているんだ。
『笑里ーっ!制服ー!』
そうだ。今日は始業式だ。
ジャージ通学の私の中学は、定期テストと『式』の時は制服になる。
学校に更衣室が無いから、ジャージ通学らしいけど…。
あっ、やべっ。急がなきゃ。
『今いくー!』
そう叫んで、階段をドタドタ降りていく。
台所にはお弁当を作るママの姿。急いで段ボールからみかんを取り出す。
冷蔵庫からヤクルトとヨーグルト。
最後にパンを出して、完了。
じゃ、『いただきます。』
3分後
『ごちそうさまっ』
歯ブラシ片手に制服に着替える。
お弁当と水筒、そして歯ブラシを持ってうがいをし、一日のスタートを切る。
ベランダの窓を開けると、向かいのベランダに男の子がいた。(誰だろ…?わ…きれいな顔…)
その青年はあまりに整った顔立ち。
ジャニーズとか、そーゆう類いより、もっともっと…こう…なんてゆーか…。
そんな風に思っていると
その青年はこちらに気付き、目があった。
『あ…。』
自然に言葉がもれた。
私の顔がよっぽどおかしかったらしく、その青年はくすりと笑った。
(ベランダ同士が近いから、キスできそうな距離。心臓バクバク。)
『僕、清水祐樹。今日引っ越して来たんだ。よろしく。』
そういって微笑む彼。
ズッキューーン!!!!!!
一目惚れしちゃったようだ。
私。
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