エピローグ

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「白無垢以前の話でしょ。」 美香さんは呆れ顔。 「じゃあ、結婚早くしようね。」 阿川さんは美香さんの呆れ顔も想定内と言わんばかりに、反するようにニンマリさらに笑顔。 夫婦漫才に見えなくもない阿川さんと美香さん。 健人と私は声をそろえて思わず笑った。 「こうやって、あのマンション帰るのもしばらくないんだな。」 帰り道、ほろ酔い気分の私たちは、9月の少し肌寒い風は涼しく気持ちいい。 終電もなくなり、タクシーで私の元自宅まで帰るつもりが、途中で降りて、二人でおしゃべりしながら歩いている。 「そうね、来週からは祐一兄さんが引っ越してくるし。今度、東京に来る時には、健人の実家か、母の家ね。」
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