お月さまと嘘つきねこ

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 澄みきった藍色の空に、お月さまがぽつりと浮かんでおりました。  白金の輝きは素晴らしく、虹色の光は見る者をうっとりと見とれさせます。  でも、お月さまはどこか寂しそう。 「ねえ、お月さま。どうしてそんなに寂しそうなの?」  屋根の上からお月さまを眺めていたねこが問いかけます。  真っ黒な毛皮に細長いしっぽを持った小さなねこは、夜になるたびお月さまを見上げているのでした。 「夜の空には誰もいないもの。ひとりぼっちは寂しいわ」  お月さまはかぼそい声で答えました。  そして、ねこの視線を恥ずかしがるように、さっとおぼろ雲に隠れてしまいました。薄いヴェールをまとったお月さまは、まわりの雲までも淡く輝かせています。  でも、その姿はぼんやりして、はっきり見えなくなってしまいました。
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