転校生

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転校生がやって来るという行事はそうそう体験出来るものでは無いだろう、と思う。(少なくとも俺は) 俺のクラスに転校生が来るらしい。 因みに現在は中3の春(成り立てで有って卒業はまだ遠い)で昭和風に言うならお受験戦争の武器調達をする時期。 まぁそれは心太式に忘れて。 問題の転校生だけど。出来れば男子を希望したい。 女子は煩いし噂好きだしチャラチャラしてる奴多いし…まぁ例外は世界に一人位なら居ると思うけど。 ジャンヌ・ダルクとか。 もう死んでるか、何時の話しだ、何時の。 男子が好きな訳では無い女子が嫌いなんだ。 「また考え事かよ?純」 先程まで明るかった視界に影が落ちる。 寝不足で重い体に鞭打って机にうつ伏せに成っていた上体を起こす。 目に確認出来たのは整った顔(上の中位だが性格故にモテない)をした俺の幼馴染み湖城隆矢だった。 「隆矢か、なに?」 人の視界に入り込むという新しい趣味をもったんですか。 なんてのは口には出さないけど。 俺が考えていた事を知ってか知らずか、人が悪そうな笑みを作った。
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