転校生

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「転校生、どんな奴だろうな」 女子で美人な子がいいなぁ、と付け足し厭らしさ全開で(下品とも言う)ペロリと舌舐めずりをしながら隆矢は言った。 「隆矢、本気か?女子なんてやかましいだけだろ」 ここまで否定しなくても、と自分でも思った。だが事実だ。 さっきまで良からぬ妄想に浸っていた隆矢が溜め息を吐きながら俺に流し目を送る。 (要らない贈り物だ) 「お前自分がモテないからって嫉妬かよー」 「お前も女子に好かれないだろう、ついでに男子にも。」 感情と表情がくるくるくるくる回って忙しい奴だ、と肩を落としそっぽを向く隆矢を見て思った。数少ない(と言うか一人だ)友達にこんな事を言ったりするのは罰当たりだろうか。 …まぁ気にしない事にしよう。 そうこうしている内に朝の会どうたらの時刻を告げる放送が校内に鳴り響いた。(我ながら詰まらない表現だ。)  
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