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その部屋にある大きな仏壇の前に正座で座る。
その仏壇には父さんと母さんの写真が。
「お母さん、お父さん。私たち今日から高校生になるんだよ。それもあの名門校の水無月学園!すごいでしょ!」
「父さんと母さんが亡くなってから、もう二年がたったけど…俺たち、こんなに元気でやってるからさ。」
父さんと母さんは、二年前に、俺たちが中学の行事で旅行に行ってる間に自宅の火事で亡くなった。
原因はよくわかってなく、多分コンロの火の管理が出来ていなかったであろうと言われている。
今は、叔父が昔使っていた家を借りて暮らしている。
「だから心配なんてしなくてもだいじょーぶだよ!私にはあにぃもいるしね!」
そういって俺に抱きつく梓。
「そういうことだから。安心しててくれよ。」
そう言って俺たちは微笑む。
これが俺たちの毎日の習慣になっている。
これがないと1日が始まった気にならないからな。
「んじゃ、行くか。」
「そうだね。」
そう言って立ち上がる。
「んじゃ、行ってきます。母さん、父さん。」
「行ってきます。」
そうして仏壇に一礼してから、俺たちは家を出た。
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