─ 碧 ─

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  不思議……   この広い碧は 光によって生かされている   水面を謳う光を ほんの少し奪えば   それはたちまち無色となって姿を表す   まるで……貴女の様   静けさも   激しさも   すべてが貴女の様   貴女は色を変える   家族という光をあてられた“碧”の姿と……   女としてすくいあげられた“無色”の姿に……   こんな思いをしたくないさせたくない……   だけど私は 貴女に溺れて行く……   これが 許されない思いだとしても……   静かな波の様に 優しく包み込んでくれる   激しい波の様に 熱く淫れる     私はこんなにも 貴女に溺れる     貴女は 一体何を思うのだろう   この腕の中の貴女は   いずれ泡のように   消えて行く……      ─ The Depth 深海 ─     沈むは己の欲望に   この手をどうか   拒まないで……   海の藻屑と      なる前に……           END
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