Vine

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こういうのは… 普通逆なんじゃなかろうか。 住所に電話番号…あ、郵便番号もいるのかな? ペンを走らせながらぼんやり考える。 そもそも面接って言っても 私名前しか聞かれてない。 まだ勤務時間すら聞いてないし。 あ、時給も…。 急に不安になってくる。 …よし、書けた。 「あの…っ」 「なあに?」 顔を上げると、真正面に綺麗な笑顔。 カウンター越しに私の手元を覗き込んでいたのか 何気に近い。 「…私でいいんですか?」 少しドギマギしてしまった私の口からは、 さっきまで考えていたこととは別の質問が飛び出していた。 「……直感。」 皐月さんは一瞬驚いた顔になり、 すぐにフワリと花が咲くように笑った。
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