Vine

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「私ね、直感て信じることにしてるの。 ヒナちゃんはきっと、ここに必要な人よ。」 ここに、必要な人… 少し、頬が熱くなった。 そんな風に言われるのなんて生まれて初めてで。 「清城大学の1年生なのね。 ミツキは2年生なんだけど……会ったりしたことない?」 「え、そうなんですか…」 あれだけ綺麗な人なら、 会ったことあれば覚えてる気がするけど… 「会ったことはないと、思います」 「そう。あのコ…ちょっと人見知りするけど、 とても優しいコだから。 仲良くしてあげてね。」 と、またあの笑顔。 緑一色の店内で、きっとこの人だけが明るい色を添える花。 私も… そんな風になれたらいいのに、と 小さく息を吐いた。
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