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私は規定の服装に着替えドクターヘリ用の医療バッグを持ちヘリに乗り込んだ
癖なのか、スクールバッグも一緒に持ってきてしまった
これ、今いらなくね?と思いつつも邪魔にならないように膝に乗せる
メインドクターの母とサブドクターが来るとヘリは上昇した
「地上との連絡をとらせてもらいます、高辻秦です、よろしくお願い致します」
「「よろしくお願い致します」」
「メインドクターの高辻蓉子です、よろしくお願い致します」
「よろしくお願い致します」
手元に渡された殴り書きのメモを読み上げる
「17時24分頃、近隣の住民から通報、公園に女性が倒れているとのこと、頭部に外傷あり、出血、チアノーゼあり」
ヘッドセットを通じそれだけチームに伝え私は無線を手に下を見下ろした
(家だ)
そう思っていると無線に連絡が入った
「こちら現場の医師です、バイタルの…で…」
「もう一度お願い致します」
「バイタル…の」
(チッ)
こんな時に限って電波状況が良くないみたいだ
回線を繋ぎ直そうと立ち上がったその瞬間機体が大きく揺れた
「う゛…」
その反動で私はドアの取っ手に背中を打ちつけた
少しして体制を整えようと後ろに手を着いたが運の尽き
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