初見

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好きな動物から始まり、好きな教科やアイドルと続いて行った。 好きなお母さんのタイプを聞かれたときは焦ったよ。 お母さんとか‥‥いた記憶ないから、お母さん自体どんなものなのかわかんねぇよ。 どう答えていいかわからなくて黙り込んでいると、父さんが『それは聞くようなことじゃないよ。彩香の思う通り、咲夜にしてきたようにすればいいさ』と、助け舟を出してくれた。 助け舟と言うより、たぶん父さんが言ったことが、1番良いことなんだろうな。 「あ、そうだ裕也。お前も彩香のことお母さんって呼んでみろよ」 「は?えっ いきなりっ」 うわぁ‥‥やっぱりきちゃったよこの時が。 わざとお母さんというワードが出そうな会話を避けてきたのに。 呼んだことないから、なんか怖いんだよな。 彩香さんめっちゃ期待した目でこっち見てるよ。 どうしよう。 「えっと‥‥‥おか‥‥なんかまだはずけぇやっ」 うはっ なんでだろ。 言うだけなら簡単なんだけどな。 なんか言えねぇや。
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