少しずつ

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あやめは道路の街灯の下で、こちらに背を向けて立っていた。 いやいや、こんな静かな夜で歩く音が響いているのに気づかないわけないじゃないですか。 なんか今日は策士だなあやめさん。 俺はあやめに近づきながら小さく息を吐き『あやめっ』と名前を読んだ。 するとあやめは、着ている白いワンピースのスカートをはためかせながら嬉しそうにこちらを振り向いた。 しかし、あやめの目元は光の当たり具合なのか腫れているように見える。 あやめは涼しそうなスクウェアネックの白いワンピース、シンプルな十字架のネックレス、ヒールの高いサンダル。 そして頭にはあの日もつけていた、俺がプレゼントした髪飾りをつけていた。 綺麗な長い黒髪に白い服とかが凄く似合っている。 恥ずかしさで死ねるから口には出さないけど。
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