少しずつ

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そう脳内会議を締めくくって、言葉を発するために音が出ない程度に大きく息を吸う。 「えっと‥‥誕生日おめでとう、その‥‥急に来ちゃってごめん。でも、どうしても会いたくて」 あやめは俯きながらそう言うと、前で両手で握っていた紙袋を俺に差し出して来た。 て、お前が喋るんかい。 『ありがと』とお礼を言いながら紙袋を受け取り、そのままの勢いで言葉を発しようとするが、またあやめの口の方が先に動いた。 「なんか、こうやってちゃんと会うのは久しぶりだね。て言っても、ほんの2、3日なんだけど」 前で組んだ指をもじもじさせながら上目遣いで言うあやめは、なんだかとてもかわいらしい。 もしこれを狙ってやってるんだったら凄い小悪魔だな、この娘。 椿ちゃんにも言えることなんだけど、姉妹だな本当に。 少しドキドキしながらそうだねと同意しつつ、立ち話もなんだからと近くの公園に移動する。 途中自販機でジュースを2本買って、いつか家族で座った公園のベンチに並んで座る。
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