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やっぱり、そういう話だったんだ。
父さん18で結婚したからまだ30代半ばだし、再婚も十分あり得るって考えたことはあったけど。
心の準備みたいなものが出来てない。
まだ起きて20分くらいしか経ってないわけだし。
怠惰に二度寝を満喫していきなりディープな話をされるなんて思わなかったもん。
「いきなりこんな話をして驚いただろ。でもまだ決定ではないんだ。裕也の気持ちを大切にしたい。ゆっくりでいい、考えてくれ」
父さんは微笑んで見せたけど、不安が声音に混ざっていた。
そんな寂しそうな顔しないでくれよ。
今まで迷惑をかけながらも、俺を育ててくれた父さんには幸せになってもらいたい。
気持ちの整理が出来ていなかっただけで、答えはもう出ていた。
「父さん、俺は反対する気なんかないよ。再婚大賛成。父さんが選んだ人なら、きっと素敵な人だろうし」
俺の言葉を聞いた父さんは、凛々しく保っていた顔を綻ばせて、嬉しそうに数回頷いた。
なんだか俺も笑顔になってくる。
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