再婚

5/9
前へ
/1047ページ
次へ
やっぱり、そういう話だったんだ。 父さん18で結婚したからまだ30代半ばだし、再婚も十分あり得るって考えたことはあったけど。 心の準備みたいなものが出来てない。 まだ起きて20分くらいしか経ってないわけだし。 怠惰に二度寝を満喫していきなりディープな話をされるなんて思わなかったもん。 「いきなりこんな話をして驚いただろ。でもまだ決定ではないんだ。裕也の気持ちを大切にしたい。ゆっくりでいい、考えてくれ」 父さんは微笑んで見せたけど、不安が声音に混ざっていた。 そんな寂しそうな顔しないでくれよ。 今まで迷惑をかけながらも、俺を育ててくれた父さんには幸せになってもらいたい。 気持ちの整理が出来ていなかっただけで、答えはもう出ていた。 「父さん、俺は反対する気なんかないよ。再婚大賛成。父さんが選んだ人なら、きっと素敵な人だろうし」 俺の言葉を聞いた父さんは、凛々しく保っていた顔を綻ばせて、嬉しそうに数回頷いた。 なんだか俺も笑顔になってくる。
/1047ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1988人が本棚に入れています
本棚に追加