1988人が本棚に入れています
本棚に追加
その後も父さんは酒に強くもないくせにちびちび飲み続け、俺が家を出るときにはソファーでいびきをかいていた。
好い気なもんだなクソ。
せっかく図書館に言ったのに勉強に身がはいらず、2,3時間後には図書館を後にした。
-------------------------
翌日、深田に再婚のことを話すと『すげぇ、漫画みたい』と、なんかテンションが上がっていた。
「ちゃんと聞けってふかだぁ~。女の家族とかいたことないし、しかも一つ下で顔だって知らない子と住むことになったんだぞ」
「俺は妹が居るっ言っても、三つ下だし大したアドバイスできないな。あっ、福光知ってるか?義妹って結構おいしいパターンらしいぞ」
「え?いやいや意味がわかんないんだけど」
「だからさ、なんかこう妹でありながら実は結婚できちゃうし一つ屋根の下だしとかで、結構人気のパターンらしいよ。ある方面では」
「へぇ~、相変わらず多趣味だな」
「まぁ全部あいつの受け売りだけど」
「あいつって、奥野か?」
「奥野すごいぜ?絵に書いたようなオタクだけど、教えるのめっちゃ上手いからな」
「へぇ。そういえばいっつも成績上位で掲示板のってるし、頭いんだな」
「お前も奥野に義妹ってもんを教えて貰えばいいじゃん。まだHRまで20分以上あるし」
「そんなに漫画とかの世界のノウハウが通用するか?アドバイスが無いよりましだけどさ。でも話すのは……」
せっかくの提案だったが、止めとくよと顔を窓の外へ向ける。
いい天気だなぁ。
「よう奥野、おはよう」
「おぉ深田氏。おはようございます」
「聞いてくれよ。福光のやつ一個下の義妹ができるんだってさ」
「なんと、そんな話がリアルであるのですか!」
あっれ?
深田くん?。
「というわけで福光くん。特別授業だ」
「福光氏とは話すの初めてですな。義妹についてお悩みとか。僕も微力ながらアドバイスさせて頂きます」
「えっと、そのいや……」
言葉がうまく続かない俺に『大丈夫だ福光。がんばれ』と奥野の後ろから深田が視線でエールを送ってくれる。
「よ、ろしく」
最初のコメントを投稿しよう!