再婚

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「 福光氏よ、心配は要りません。この奥野間太の得意分野、いや、専攻科目の知識を全て伝授してみせます」 「助かるぜ奥野。これで百人力だな福光」 「そう、だな」 なんかもうしゃべり方とかテンションとかすごいけど、深田の気遣いを無下にはできない。 それに、なんだか奥野は俺でも話しやすいような気がする。 「頼むよ」 「まず福光氏‥あなたの義妹になる方の情報はどのくらいお持ちで?」 「いや、顔も名前すら知らないんだって。知ってるのは一つ下ってだけ」 「ふむ わかりました。なかなか義妹の典型的パターンですね。有り得るパターンをいくつか挙げると、実は昔会ったことがある。 実は同じ学校。 実は知り合い。また、好きな子だった。相手は自分を好きだった。などなどあります」 典型というか、どこかで聞いたことがあるような、でも実際有り得そうもないパターンばっかりだな。 「まだまだ有りますが、それぞれのパターンの性格の方をお教えしましょう」 「それっそっちが聞きたかったんだよ」 「逸らないでください深田氏。典型的なものを挙げますと、明るく気さくで仲良くなりやすいパターン。この場合は兄弟に憧れていてすぐに『お兄ちゃん』などと呼んでくれたりしますが、実は無理をしていたり心に傷があったりします」 「なるほど、なるほど」 深田メモし始めちゃったよ。 「次に無口で人見知りが激しくおとなしいパターン。ちなみに私の大好物です。 このパターンは一度心を開いてくれれば、何かと頼ってくれたりします。またetc…」 「ほうほう。さすが奥野」 「次は気難しくなかなか自分を受け入れてくれず相手も自分を見せないパターン。自分の意見はズカズカ言いますが、こちらのことは聞く耳持たない自己中パターン。 口も聞かず、一方的に喋って来て黙り込むパターン」
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