第一話一章 どうみても不審者です

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「おうおう姉ちゃん、何処見てんじゃ?」 「ちゃんと前見て歩かないと危ないぜ? ギャハハハ!」  ……参ったな。  私、時矢 真夜(ときや まや)の前に居るのは絶滅危惧種にでも指定されてそうな絵に描いたような不良。不幸にもぶつかってしまい絡まれて逃走を試みるも失敗。そして今に至る。 「まあまあ落ち着いて……」 「落ち着いていりゃえるかゴォウルゥア!」  どうやら残念なことに日本語が通じないようだ。教師の顔が一瞬フラッシュバックし、平生英語を疎かにしてきたことをほんの少し後悔した。
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