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二人組だった。一人は某バッタベースの改造人間のお面をかぶっていた。お面に収まりきらない黒い髪が寝癖のように跳ねている。百歩譲ってそれはまだいいとしよう。
もう一人は完全に蟹のお面だった。まごうことなき蟹だった。ちょっと奮発した日に食卓に並ぶような甲殻類の海洋生物だった。ぬめりと光る真っ赤なボディが妙に生々しい。
変な奴に絡まれたら、更に変な奴が助けに来た。うん、どういうあれだ。これが神様の仕業だとしたら相当性根が腐っているような奴に違いない。
「な、なんだてめえら!?」
流石に不良も若干引き気味だ。
「通りすがりの仮面ライダーだ」
「おい、決闘しろよ」
キリッと擬音が出そうなくらいに堂々とした発言だった。わけがわからない。しかし、わかったら人間としてもう駄目な気がする。
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