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始まって早々唐突で悪いんだけど、1つ俺――高坂統夜の持論をちょっと聞いて貰いたい。
議題は『日常と非日常』だ。
――俺が思うに、『非日常』って言うものの本質は事故みたいなものじゃないかと思う。
つまり、『望んでいる者』よりも『望んでいない者』に突然降りかかるものと言う事だ。
少し話が抽象的過ぎるから、ここで具体例を挙げてみよう。
例えば宝くじ。
こんなものが当たる事自体がまず『非日常』だが、こういうものを当てるのは大抵『当てよう!』と思ってくじを買った奴よりも『当たればいいな』、『みんなが買ってるから私も……』的な奴が殆どだ。
次に交通事故や事件。
これに関しても同じで『死にたい』とか、『事件に遭遇したい!』とか思ってる奴よりも、そういうものと関わり合いたくもない奴が巻き込まれる。
ポジティブとネガティブ――。
比較の為にかなり両極端な事例を挙げてみたが、2つの出来事の根底で共通する点は同じ。
それはやはり――『非日常』は望んでいる奴よりも、望んでいない奴に訪れると言う事だ。
と……まあ長々語ってみたけれど、そもそもなんでこんな事を語りだしたかと言えば。
それは俺の目の前で繰り広げられている、圧倒的な『非日常』から現実逃避をする為だった。
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