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下校。幸か不幸か、信長とは家の方向が逆なので、帰り道は後輩と私の二人のみである。
私の横を、後輩が歩く。彼女は歩幅が小さいので、それに私が合わせる形となる。
「先輩の家に泊まりに行ってもいいですか?」
「いや、今日は無理かな」
家にみずきが居ることは、二人には言ってない。そもそも知ってるのは、渡した張本人くらいだろう。
「いつも無理ですよね、先輩の家」
「そ…そうだっけ、記憶力低いから忘れちゃったな…ハハハ」
記憶力低いのは本当、忘れたのは嘘。正直中学校以前の記憶がまったく無くて、去年のことでも割とあやふやだけど、さすがに先週のことは覚えている。
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