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目の前にいる少女、もといロボットを、改めて見る。
髪は黒、長さは肩にかかる程度で、頭にはメイドカチューシャが装着されている。身長は私と同じくらい、160cmあるかないか。眉目秀麗で、その上メイド服だ、街を歩いていたら、誰もが振り向くことだろう。
「ところでさ」
私は観察を止めて、朝食を口にしながら、言葉を口にする。食事中の会話については、インフォーマルなこの場では見逃していただきたい。口にモノを入れながら、言葉を発したりはしていない。
「具体的に、君は何ができるのかな」
「みずき」
「はい?」
「私の名前は『君』じゃありません、『みずき』です」
よく見ると、彼女はどうやらムッとしているようだ。頬が少し膨らんでいて、何とも可愛いらしい。
「みずきは、何ができるの?」
仕方ないので、私は同じ質問を再び繰り返した。
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