メイドロボー

メイドと買物

キス。私とみずきの唇は、数秒の間つながっていた。

まるで、さっき観た映画のように。ただ現実は映画と違い、画面が暗くなることはない。

そのかわりに、エレベーターの扉が開いた、開いてしまった。

「こ……こんばんは」

扉の先にいたのは、見知らぬお姉さん。
彼女は入ってくることもなく、ドアは閉まり、エレベーターは再び上昇を続けた。

「これからは、エレベーターで、こんなことをしないように」

「他の場所ならいいんですか？」

隣でみずきは、普段とはまた違う、良い笑顔を浮かべていた。