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彼の黒い瞳はどこまでも真っ黒だった。
色に染まらないのでなく、まるで最初から一切の色も混ざっていないと思わせる、純粋な黒。
なんて綺麗な色なんだろう。
「――く、はははは!いいな、お前は最高だ。こんな可愛い懐疑心ははじめてだよ。――あぁ、面白い」
くくく、とまだ笑いを堪えるのを大変そうにしている。
「む……」
悔しい。綺麗とか思っちゃった時点で悔しいのに、更にばかにされるなんて。
「くくく――あーいや、悪い悪い、バカにしてる訳じゃないんだ」
「そーですか」
「そう怒るなよ。お前はぬけているところがあれが基本的は賢いようだ。ソレを疑問に思うのは大切な事だしな。それで……お前はどう思うんだ?俺の言うことが信じられないか?」
「私は、あなたを信じます」
私に迷いはなかった。
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