篠原かすみ

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  「なんでだ?俺は俗物に弱い男だぞ?」 「牢屋での印象はそうですね、あと髪がぼさぼさで汚ならしいです」 「汚いとは酷い言い方だ」 「でも……あなたは感情に素直な人なのだと思いました」 「ほう?そんな要素あったか?」 「小鬼達に囲まれた時、あなたは最初不機嫌でした。でもその後ですぐに笑った。その時は考えてる余裕がなかったし気づかなかったけど、鬼が山に帰っていく時に思ったんです。あの鬼と小鬼達は家族なんだって」 彼は、へぇ、と関心するように声を漏らした。一層の関心を私に向けて、私の言葉を聞こうとしているのが分かった。
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