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「陛下、よかったのですか??
あの方は…ちゃんと身分もあって、教養もお有りで、私なんかよりもずっと王妃としての振る舞いも……」
「言うな。余が愛しているのは其方だけなのだ。あの女を抱いても、お前を思い出すだけだ。
あれも自分を愛してくれる男の元へ行った方が幸せになれるだろう。」
「でも陛下、あの方は陛下のことを誰よりもご存知です……
まだ出会って数年の私とは訳が違って……」
「もう黙れ。余はあれを愛してはやれなかった。お前を愛してしまった。情はあった。しかしそれは其方に抱くような愛ではない。
アリシア、愛している」
「陛下…」
頬から涙が零れて、王はそれを優しく掬った。
お互いの愛を確かめながら、王と未来の王妃は床を共に眠りについた。
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