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「何を言うか!紅が作ってくれるんじゃ、文句なんか言わんぜよ」
『…本当に簡単なものしか作れないからな?』
「それでもいいぜよ。紅の手料理が食べられるなんて今から楽しみじゃ!」
言いながら嬉しそうに笑う龍馬の様子に、俺はなんだか照れくさくなった。
『じゃあ、ちょっと女将さんのところ行ってくる』
そう言って部屋を出て、女将さんがいるだろう台所に向かう。
階段を下りながらふと、今回の一連の出来事を思い返した。
新選組のみんなを看病しに屯所まで行ったこと、無茶がたたって倒れたこと、新選組に囲まれたこと、みんなが命懸けで診療所まで連れて行ってくれたこと。
色々なことがあったけど、龍馬や中岡、武市、以蔵のおかげで無事に終えることができたと思う。
俺の気持ちや考えを尊重して、俺の好きなようにやらせてくれるみんな。
俺にはもったいないくらいの、とても優しい仲間たちだ。
俺を大切にしてくれるみんなのために、俺もみんなのことを何より大切にしよう。
そう心に決めた俺は、軽い足取りで台所へと向かったのだった。
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