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 わたしは毎日朝の五時に起きる。自らの意思で起きているのではない。 勝手に脳みそが起きるものだから、仕方なくそれに付き合っている。しかしそう簡単にはベッドから出ない。それはある意味自分の脳みそへの復讐である。こんな時間に起こしてくれた迷惑な脳みそへのささやかな復讐である。  しかしこの復讐には問題があった。何もしたくないわたしは、ベッドの中で何もしていない状態すらしたくないのだ。  もう全てが無くなればいいのに。  二十三歳にもなってまともに仕事もせず、全てに嫌気を感じながら、ただただ「生」を垂れ流しにしている自分の存在価値など、ゼロだと思った。いや、むしろマイナス。不必要な人間のために大切な酸素が二酸化炭素に変えられてしまうだけで、もうマイナスだとしか思えない。  ああ、やっぱり、わたしは不必要だ。
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