IF

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高校の物理の時、世界は6次元で出来ていると教えて貰ったことがある。 「まず、一次元。今、現在のことだ。んで、二次元。過去と未来。そして、三次元が、一次元と二次元を立体化したもの。 この、三次元までが今俺たちが選んでいる世界だ。 しかし、物には全て、裏と表がある。コインや、紙のようにな、世界にも裏がある。 それが、パラレルワールド。IFの世界。つまり、四次元だ。 それにも、過去と未来があり、五次元な。立体かもする。六次元ってわけだ」 もちろん、昔の話だからこんな内容だったかはうろ覚えだ。 けど、IF。つまり、四次元〓六次元、裏の話しはかなり印象深く覚えている。 さて、なぜ。俺が、こんな話をしているかだ。 解るだろ?そう、俺はその、パラレルワールド。IFの世界にいる。 しかも、難儀なことに。これが、未来と来てる。 近くのコンビニに売ってあった(まだアナログが残っていたのに驚いた)新聞で確かめて、頭を抱えたくなった。 西暦2152年。なぜか、百年もの未来。 では、何故、IF世界なのかと言うと、そこら中を歩いているのが人間じゃなくて。 人間に近い、しかし人間だなんて呼べない色んな変な地球外生命体が闊歩しているからである。見たところ、人間は一人も姿が見えない。 でも、この百年後の世界が本当に俺がいた所からの百年後かも知れないから、IFとは言いがたいんでけど。 認めたくはない。 こんな百年後が待っているだなんて、俺には耐えがたいものだ。 いや。そう、落胆するものじゃない。もしかしたら、地球人と宇宙人を分けていて、ここは宇宙人の環境区かも知れない。 ポジティブに行こう! そう思っていた、矢先。 「貴様。何故、人間がここにいる?」 後ろから奇妙な言い表せないくらい雑音に似た声がした。 恐る恐る後ろを振り向くと、そこには俺の身長を優に3メートルは越えてる巨大な宇宙人が立っていた。 人型と言えど、頭と足はなく、腕が何本も生えており、中に浮いている。 これは、立っているなんて言葉は、可笑しいな。ハハハハハ。 「返答なしか。まぁ、いい」 そいつはそう言うと、俺の体を何本もの手で巻き付けた。 「うわぁぁぁぁぁぁ!!」 「うるさい、黙れ。たく、こんなイレギュラーは初めてだ」 そいつはため息(?)をつき、俺の後頭部を叩いた。 それだけで俺は気絶した。
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