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「おい、大丈夫か?」 ベシベシベシと誰かが、何度も俺のほほを叩いく。 「や、やめろ!うッ!あんた、ごふっ!俺が目開けてからイタッ!叩いている、だろうが!がっ! って、いい加減にやめろよ!」 話している間も叩きつけるやつを突き飛ばした。 「キャッ!」 キャッ?え? 俺は突き飛ばしたやつを見た。そいつは、ボロボロのシャツの胸に小さな膨らみ。薄くなったジーパンをはいた、髪がショートの女だった。 しかも、かなり美人な。 「あ!ご、ごめん!」 と、手を伸ばすも、パシッと手を払われた。 「あなた、バカ?」 「へ!?」 「今の時代、転んだ相手に手を差し出す人間なんて、居やしないわよ。 しかも、明らかにこっちが悪いと言うのに、手を差し出すなんて。気が可笑しいんじゃない?」 女はスッと立ち上がり、体についた砂を叩き落とした。 「ごめんなさい」 「だから。なぜ、あなたが謝る必要があるのよ。普通は、私でしょ?ま、謝ったりしないんだけど。 で?あんた、名前は?てか、あんたが運ばれてきた時に思ったんだけどさ、何でそんないい服着てんのよ? 取り合えず、名前言いなさい。あと、何人か。ま、ここ日本だから、大抵日本人だけど、一応確認が必要だからね。あ、歳も入れること」 「はぁ。俺の名前は、桜庭 朔斗(サクラバ サクト)です。19です」 「桜庭 朔斗?変な名前ね。まぁ、いいわ。ついでに、私の名前は、霧宮 望(キリミヤ ノゾミ)。22よ。宜しくね。 で?なんで、そんな新品なジーパンに、上は綺麗な長袖とジャンバーを着てんのよ?今、夏目の前よ?この通り、皆半袖」 言われた通り、暑い。ここに来る前は、冬に入ったばかりだったのだ。 しかし、どうやって説明をすればいいのやら。 「あー、えっと。その前に、ここは何処なんですか?何で、俺は宇宙人みたいなのに連行されたんです?」 俺の質問に、そこにいた皆がざわついた。
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