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「いや、これ全部始めてみる!なんなんだ、これは!」 私は桜庭に近づいて、紙切れをぶん取った。 少しすべすべしていて、文字は掘られても、書かれていもいない。何よ、これ? 「2012年!?何よ、何なのよ!?どういうこと!? 2012年は、まだ私たちが産まれてきていない。茂さんすらも! 百年前って、意味わからないわよ!」 襟首を掴みながら私は桜庭に詰め寄る。 「そうなんだよ。百年前の冬に、何故か知らないけど、俺はいつの間にかここに来ていたんだよ!」 「望、手を離すんだ。どうやら、彼は本当の事を言っているらしい」 そう言うと、彰は細くて薄い機械を私に見せた。 そこには、色んな大きなビルが立ち並び、その合間を大勢の人々が歩いている画像が写し出されていた。 「聞いたことがある、携帯電話。電話を持ち運べれるもので、手紙のような役割やカメラに、人々と繋がることができるのだと。 しかし。そんなに薄くない」 「ああ、それはそうですよ。昔とはかなり変わりましたから」 桜庭は私の手から逃れ、明の持つ携帯電話を取った。 そして、画面を指で触れた。 何をしているんだ、あいつは?ただ触っている。 「取り合えず、これらは俺が取った写真です。俺は、写真撮るの好きだから、色んな場所の風景を撮っているんですよ」 そう言いながら、私たちに画面を見せつけた。 が、画面が変わっている!?色んな建物が立て二列に立ち並び、その真ん中を大勢の人たちが歩いている。 「ついでに、ここが今いる場所です」 私たちに見せたまま、人指し指を画面に軽く当て、横へ移動させる。 すると、瞬時に画像が変わり、ガラスの向こうで魚たちが泳ぐ画像へとなった。 「………」 私は、いや、皆が唖然とし、驚愕していた。
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