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9月最後の火曜日。
学校が終わると、いつものように○○駅のバス亭へと足早に向かう。
早めにバス亭に行って由梨さんを待つのが習慣になった。
1分1秒でも長く由梨さんと一緒にいたいし
今日は何を話そうとか、どんな服着てるのかなとか、あれこれ由梨さんのことを考えながら待つ時間さえ、俺にとっては特別な時間だ。
バス亭に向かって歩いてくる由梨さんをイチ早く見つけて、軽く手を挙げる。
それに由梨さんがふわりと笑顔で応えてくれる。
アーモンド形の瞳が涼しげに微笑むんだ。
―――俺だけに。
それは最高に幸せな瞬間。
他人が聞いたら大げさだって笑うかもしれない。
普通の恋人同士みたいに付き合って、由梨さんを独り占めしていたら、きっと気づかなかったと思う。
これは手を繋ぐこともできない、電話やメールさえままならない、歯がゆい関係だからこそ感じられる幸せ。
片想いのご褒美。
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