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お互いのケーキを味見して「どっちもおいしいねー」とか、しばらく他愛のない話を続けていると、途中、ふっと会話が途切れた隙に
「ね……。聞いていい?」
ケーキをつつきながら、目を合わせずに由梨さんがぽつりと言った。
「ん?なに?」
ゆっくりとフォークをおいて顔を上げた由梨さんはとても真剣な目をしている。
「今も……、進学やめて就職しようって考えてる?」
「………っ」
真っ直ぐに向けられた由梨さんの視線。
今度は俺が、その視線から逃げるように目を伏せた。
「………。」
「………。」
テーブルが沈黙に包まれる。
俺は椅子の背に体重をあずけて、膝の上で組んだ両手をただじっと見ていた。
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