◆1◆

3/11
前へ
/13ページ
次へ
炎帝と呼ばれたのは、深紅のローブに身を包んだ少年だった。漆黒のローブの少年と違い、彼はフードを被っておらず、素顔がむき出しだった。輝かしいほどの金髪に赤い瞳……彼は、見るものを魅了する顔立ちをしている。若干背が低く、性格に問題があるのが残念だ。とにかく残念だ。 「言われなくとも」 漆黒の少年は深紅の少年、炎帝に向かって微笑むと魔物の大群へと向かっていった。 「炎帝様!!なにを考えておられるのですか!?あんな子供を戦わせるなど」 漆黒の少年がいなくなると、青年は炎帝に詰め寄った。 「アイツは俺と同い年だ。別に構わないだろ??」 「普通の子供と貴方を一緒にしないでください」 「普通の子供ねぇ……お前は馬鹿か。アイツが着てるローブを見ればわかるだろ」 「それがなに……あ!!!」 ドゴーン!!!!!! 突如まばゆい閃光と共に、凄まじい爆音が響いた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加