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視界が土埃で閉ざされる。
「ま、まさか……」
「ったく、派手にやらかしやがって」
徐々に晴れてきた土埃の中に立っていたのは………
「全……帝様…」
両手に刀を握り、漆黒のローブに身をまとった少年だった。
「任務完了」(ボソッ
「転移」
少年は小さく呟くと、その場から姿を消した。
……深紅の者を残して。
「あ!!あいつ置いていきやがった。おい!隊を纏めて急いで城に帰れよ!!国王が報告待ってるぞ」
後を追うように、深紅の少年も姿を消した。
残ったのは、呆然と立ち尽くす青年とその部下たち、また、魔物だったものたちの残骸だけだった。
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