prolog...

2/2
前へ
/17ページ
次へ
空から大粒の雨が降っていたあの日。 周りなんか気にせず 目もくれずに前だけ見て 帰れば良かった。 そうすれば 変わっていたかもしれない。 この何の綺麗さもない世界に 少しは『故郷』と 呼べたかもしれないのに。 この僕の心を変える何かに 出逢えたかもしれないのに。 でも僕は 知らなかったんだ。 自分が変わり始め、 人間という人格を 失っていったことを。 善と悪を知っていた僕の心が 悪に染まっていったことを。 僕は正義だと信じてた。 けど 間違いだった。 キミに出会ったあの日から 僕は分からなくなった。 僕自身という人間が。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加