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「矢沢くん、やる気ないなら帰ろっか?」
精一杯の笑顔がひきつってしまう。
「えぇっ?
なんでなんで?
あ、もしかして今ので偏差値10くらい上がったの!?
さっすがー!」
「違います」
ふざけてるのかと言いたくなるほどにキョトンとした顔が目の前で苦笑いした。
「え…なんで?」
なんでって…。
「自分で分かってるんじゃないの?」
「え?
何、どういうこと…」
惚けているのかポカンとした顔の矢沢くんは、私をじっと見ている。
「さっき自分でフザけた事言ってたよね?
PとCの話で」
ため息混じりに言えば、彼の反応は意外なものだった。
「変…。
あれって、間違ってたの……?」
「当たり前です」
「えぇぇー……。
自信あったのに…」
あったんだ、自信。
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