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「…聞いてもいい?」
「何?」
いつになく真剣な目をした矢沢くんが私を見つめる。
「あれってさ、なんだかんだ言って、ちょっと答えに似てたりしてなかった?」
「全然」
即座に返答した私に、あちゃー…と落胆の声が返ってきた。
「美姫っちぃ~、もっと間を置いて答えてよ~」
それは無茶だよ…。
っていうか。
「…美姫っち?」
あり得ない呼び方が聞こえた気がする。
「まさかソレって……私のこと?」
「うん。
美姫っち。
何か問題あった?」
「…………」
背中まで伸びた長い黒髪を指で軽くすいて、絡めた。
真面目一直線な直毛は、『美姫っち』なんて可愛らしいアダ名には相応しくない。
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