1時限目

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「…聞いてもいい?」 「何?」 いつになく真剣な目をした矢沢くんが私を見つめる。 「あれってさ、なんだかんだ言って、ちょっと答えに似てたりしてなかった?」 「全然」 即座に返答した私に、あちゃー…と落胆の声が返ってきた。 「美姫っちぃ~、もっと間を置いて答えてよ~」 それは無茶だよ…。 っていうか。 「…美姫っち?」 あり得ない呼び方が聞こえた気がする。 「まさかソレって……私のこと?」 「うん。 美姫っち。 何か問題あった?」 「…………」 背中まで伸びた長い黒髪を指で軽くすいて、絡めた。 真面目一直線な直毛は、『美姫っち』なんて可愛らしいアダ名には相応しくない。
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