0時限目

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有栖川美姫と矢沢桃汰。 出席番号は遠く、成績だって正反対。 学年トップと、もうひとつの学年トップ。 勿論つきあいだってほぼゼロに等しい。 なのに…。 「だからっ! ここはザビエルじゃないって言ってるでしょっ!?」 「えぇぇ~? ザビエルがいいよ。 俺ザビエルしか知らないもん。 何だっけ? サンフランシスコ…」 「フランシスコっ!! 分かってないじゃない! いい? これは人の名前を答える問題じゃないの!これ文明! ヘレニズムって知らないの?」 どうして私は、机を挟みながら放課後ここで馬鹿(矢沢)の勉強をみているんだろう…。 「はぁ…。 あたしのアイスクリーム…」 「んん~?」 「…なんでもない」 きっと今頃駅ビルなんかでアイスクリームを頬張っているだろう友人に、私は一人ため息をついた。
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