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「美姫、ちょっといいー?」
「あっ、私も聞きたいことあんだよね?」
休み時間の私の席。
周りを囲む、女の子。
周りを囲むとは言っても、別に修羅場とかイジメではなくて、勉強に関しての質問だ。
「いいよ。
どこらへん?」
「ちょっとこの文法が…――」
「ああ、それはね――」
クラスでは委員長を任されて、忙しい毎日が続くけれど、もともと人に頼られるのは嫌いじゃない。
「ありがとうっ!」
私がした行動に、感謝してくれる人がいるから。
もっと、色んな人に喜んでもらいたい。
そんなことを考えながら16年。
私はずっと、こんな日が続くと信じてやまなかった。
だって『類は友を呼ぶ』と言うでしょう?
私が真面目にしていれば、一緒にいる人間だって、そんな人ばかりになる。
調子に乗る人の周りに、間違っても私が加わったりはしないだろう。
きっと、これからも…――。
「あわわわっ!?
危なっ!!」
「…っ!?」
質問も終わり、次の時間の内容を確認していたとき。
突然の悲鳴で、私は後ろを振り返った。
勢いよく此方に投げ出された、男子にしては小さな身体。
けたたましい音と共に、私と彼は衝突した。
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